NOW! わが師クラウド・ゴードンの言葉
編:杉山 正【ペーパーバック版】
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ハイノート入門
青年マサシと旅するアメリカ
金管楽器習得には長い時間がかかります。調子のい
いときばかりではありません。道に迷うこともあり
ます。そんなときは「道しるべ」が必要です。
本書「NOW!」は、26歳で単身アメリカへ渡りクラ
ウド・ゴードンの門を叩いた杉山正が、師から投げ
かけられた言葉の数々を記録したもの。
それは時にきびしく、時にユーモラスに、弟子を教
え導く熱き教育者の力強いメッセージです。愛情あ
ふれる師弟間のドラマを追体験するうちに、私たち
も青年マサシと一緒にカリフォルニアでゴードンの
指導を受けている錯覚にとらわれます。
進むべき道を見失ったときにルートを教えてくれる
道しるべとして、くじけそうな気持ちを支えてくれ
る杖として、すべての金管奏者に捧げたい一冊。
何も足すな、何も引くな。
これはゴードン自身の言葉ではなく、高弟のカール・
リーチのものですが、私の心に残っている言葉のひ
とつなので紹介したいと思います。
ゴードンに師事し始めてから、すぐに演奏に効果を
感じ始めた私ですが自分がまだ足りていないと思う
ところがあったので、ゴードンから与えられた処方
箋に、あれを足したり、これを足してみたりと自分
なりにくふうして練習していました。ある時、高弟
のカール・リーチが私が練習しているところにやっ
て来て、「何をしているんだ?」と聞きました。
私は得意げに、「この新しいフレキシビリティは自
分の足りない部分を補ってくれるので、加えてやっ
てます」と伝えると、彼はすぐさま 「NO---!」、そ
してあきれ顔でこう続けました。「ゴードンの処方
箋に何も足しちゃいけない、そして何も引いてはい
けない。そんなことしていたら、けっして上達しな
い」。
その言葉はクラーク〜ゴードンと伝わってきた練習
方法に理解、リスペクト感が足りていなかったと気
がつかされた尊い言葉でした。
当時、もしこの私のアホな行動をゴードンが見たら、
烈火のごとく怒ったに違いありません。
(NOW! わが師クラウド・ゴードンの言葉より)
NOW! わが師クラウド・ゴードンの言葉
編:杉山 正【ペーパーバック版】