スキーと金管演奏の意外な共通点



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Ingemar Stenmark 動画

ゆる体操で有名な運動科学総合研究所の高岡英夫所
長が、スキーについての対談で以下のようなことを
述べています。インタビュアーから


 「かつてのスキーブームの時には、とくに若い世
 代、10代から30代ぐらいの方たちが夢中になって
 スキーに行っていましたが、なぜ昨今はそれほど
 行かなくなったのでしょうか?」



と質問され、それに答えたものです。

スキーをトランペットに置き換えて読んでもいいく
らい、TM理論との共通点があることがわかります。



***(以下高岡所長の回答)***

それは、みなさんのおやりになったスキー技術がこ
のスキーという素晴らしい条件を活かすようなス
キー技術ではなかったからです。

先ほど地球の重力と雪という天の恵みを最大限利用
するスポーツがスキーだと申しましたが、それが充
分できていないのです。というよりむしろ、重力に
逆らってしまっているのです。

(中略)

厳しい言い方になりますが、日本人のほとんどのス
キーヤーは、雪と重力という条件に逆らってスキー
を習ってきて、私が申し上げたスキーの良さを全く
味わっていないということになるのです。

具体例を挙げてみましょう。皆さんはスキーをやる
と筋肉痛を起こすでしょう。しかも、それはおそら
くももの前ではないでしょうか。それは大腿四頭筋
といいます。

これまでのスキー技術では、落下しようとする運動
を制御する、即ちブレーキをかけて減速するのがス
キー技術の根幹であるということになっています。

つまり、滑りやすい雪という条件、地球に向かって
身体を引っ張る重力という条件に全く逆らうことを
やろうとしてきたのが、今日までのスキー技術なの
です。ですからブレーキの役目を果たす大腿四頭筋
の筋肉痛を起こすのです。

ところが、私がスキーをしても、大腿四頭筋の筋肉
痛は全く起こしません。実は私が開発した「ゆるス
キー」をやると、皆さんにも大腿四頭筋の筋肉痛は
起きません。ほとんど全ての方がそうです。筋肉痛
を全く、微塵も起こさないという方もたくさんいま
す。

彼らが一様に何と言うかというと「スキーがこんな
に気持ちがいいものだとは思わなかった」と言うの
ですよ。過去の体験と比較し、10代から20代の一番
元気盛りのときに滑った自分の滑りより、中年ある
いは初老になって滑った自分の滑りの方がはるかに
気持ち良いと言うのです。

(中略)

私もスキーをやって筋肉痛を起こしたことがありま
す。それはどこかというと大腰筋です。その外側の
腸骨筋も筋肉痛を起こしたことがあります。ハムス
トリングスが筋肉痛になったこともありましたが、
大腿四頭筋については、1kmのコブ斜面を20本休みな
く滑っても全く筋肉痛を起こさなかったのです。50
代の人間がですよ。

(中略)

身体のメカニズムで言うと、大腰筋を中心に腸骨
筋、ハムストリングスを最高度に使えるスキー技術
が存在するかどうかが鍵です。

実はゆるスキーは、そうなるように、スキー技術の
条件設定がされているのです。即ち人間の身体と心
本来のメカニズムに基づいてスキー技術をつくり上
げたのです。当然の事ながら、スキー史上初めての
考え方です。

(中略)

一方大腿四頭筋を過度に使うような、日本中で行わ
れてきた従来のスキー技術は、人間の方に向かって
言えば、身体から発生する不快との戦いなのです。

心理的に大変に抵抗が生まれる中で、その抵抗に打
ち勝ちながら滑らなければいけないという極めてス
トレスフルな心理状態になるのです。

だからこそ「根性」とか、「頑張らなくちゃ」と
か、「くそー負けてたまるか」とか、そうした思い
が生まれてくるのです。

我が身を振り返っていただくと、スキーをしながら
そうした思いを抱かれたことがあるのを思い出され
るのではないでしょうか。

次に、環境から見た場合、従来のスキー技術は環境
がそもそも持っている素晴らしい条件、地球の中心
に向かって重力が働いているというこの宇宙の根本
条件と、天からの恵みである雪に相対的に逆らった
条件ででき上っているのです。

ですから、従来のスキーは真に快適だからという理
由では行われて来なかったのです。根性やラフな体
力を鍛えるとか、何らかの物珍しさとか、丁度日本
の高度成長期と重なったからとか、あるいは企業の
極度の商業主義、さらにマスメディアに乗せられた
からとか、そのような理由で行われていた傾向が強
いのです。

そういう意味でどなたも、即ち社会全体が、スキー
というものの本当の魅力をまだ体験していないので
す。未知なるままブームも去り、スキーを行う人が
極めて少なくなった。スキー場は本当に閑散として
しまった。

全国で休眠状態になったスキー場は相当数あるで
しょう。以前に私が得た情報では、スキー場の数
は、600ヶ所位と聞いています。何とももったいな
い話ですね。

このもったいなさというのは、スキーという環境・
文化がすでに作られて存在するということに対して
のもったいなさもありますし、一方、スキーが人間
の身体の真理、心の真理というものを体現するのに
最も適したスポーツであるにも関わらず、そのこと
が活かされていないというもったいなさでもありま
す。全スポーツ種目の中で、スキーが大腰筋と心の
関係を最も開発しやすいスポーツなのにです。

***(引用ここまで)***

唇主導の金管練習は「身体から発生する不快との戦
い」ではないでしょうか? 「根性」とか、「頑張
らなくちゃ」とか、「くそー負けてたまるか」とい
う思いが原動力になっていないでしょうか?


 「スキーがこんなに気持ちがいいものだとは思わな
 かった」と言うのですよ。過去の体験と比較し、10
 代から20代の一番元気盛りのときに滑った自分の滑
 りより、中年あるいは初老になって滑った自分の滑
 りの方がはるかに気持ち良いと言うのです。


TM講習会でも同様の感想をたくさん聞きます。練習
がこんなに楽しいものだとは、という声です。タング
主導の練習がもたらす快適さを感じた方は、すでに全
国で数百名にのぼるでしょう。

ゆるスキーとTMの共通点は「外柔芯剛」です。合理
的な身体の使い方がもたらすこの快適さを、少しで
も多くの、特に若年層のブラス奏者に体験していた
だきたいと考えています。