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監修:杉山 正




【インデクス】
●音域について
●耐久力について
●アンブシュアについて
●リップフォゲットについて
●練習の進め方について
●練習のバランスについて
●リップトリルやシェイクについて
●舌を使う奏法について
●奏法の変更について
●脱力について
●姿勢と演奏の関係について
●タブーについて
●クラウド・ゴードンとTMについて
●基本的な練習について
●パッカーについて
●パート練習について
●今度の本番に間に合わせたい
●FTBの時間配分について
●2週間続ける必要がありますか
●C→Eがうまくいかないのですが
●一息で吹ききると頭がクラッとする
●NE52のLESSON FOURで
●バズィングについて






●音域について
【Q】5オクターブも必要ないのではないですか?
【A】高音域がうまく出せない奏者は、中低音の奏
   法にも課題を抱えているというのが、TMの
   基本的な考え方です。したがって、高音域と
   いう「極限状況」を使って、奏者ひとりひと
   りの課題をあぶり出すことができます。また、
   TMでは上はダブルハイCから下はダブルペ
   ダルCまでの5オクターブは金管奏者が「ふ
   つうに」練習するべき音域であるということ
   を前提にしています。その意味では、ダブル
   ハイCは「必要な」音域なのです。







●耐久力について
【Q】耐久力(スタミナ)をつけるにはどうすれば
   よいですか。
【A】舌が正しく機能すれば、唇周囲の筋肉疲労は
   激減します。「唇は疲れない」を参照して
   ください。







●アンブシュアについて
【Q】どのようなアンブシュアがよいのですか?
【A】 TMでは唇について「ウエット」「上振下支」
   「パッカー」「フォゲット」の4項目に整理
   しています。リップフォーを参照してくださ
   い。動的アンブシュア論もどうぞ。







●リップフォゲットについて
【Q】TMではリップフォゲット(唇を忘れろ)と言い
   ますが、まずは唇が振動してからの話ではあり
   ませんか?
【A】おっしゃる通りです。ただし唇を操作して問題
   を解決しようとする習慣が振動を止めている可
   能性も考える必要があります。舌と息を中心と
   した練習を重ねることで、唇が振動するとかし
   ないとかは、いつしか大きな問題にはならなく
   なります。







●練習の進め方について
【Q】一日の練習メニューをどのように組み立てたらよ
   いですか?
【A】一例を以下に掲げます。人によって解決すべき課
   題が異なりますので、何を、どれくらい、どうい
   う順序で練習すべきかはTM講習会を受講のうえ、
   「NEWS FORMULA」の処方を得るのが理想です。


   <一日の練習メニュー例>
   0.ヒトゴもしくはミンジュウ      5-10分
   1.フレックス・タング・ビルド     約20分
   2.クラーク「テクニカル・スタディーズ」約20分
   3.楽曲の練習(現在取り組んでいるもの) 適宜
   4.ハイ・エア・ビルド         約20分







●練習のバランスについて
【Q】舌の練習とバランスをとるために唇の練習も
   必要なのではないですか?
【A】「バランスよく」という言葉は注意が必要で
   す。いろんなものをまんべんなく、という意
   味で使うと危険な場合があるからです。よい
   バランスとは、重点を置くものとそうでない
   ものの配分を適正にすること。何を「中心」
   に置き、何を「周辺」に配するかという構造
   が問われるのです。そこには明確な「選択基
   準」が必要となります。けっして「あれもこ
   れも」取り入れてはいけなのです。TMでは、
   外柔芯剛という基本コンセプトを中心に置い
   たトレーニング体系を用意しています。くわ
   しくはハイノート講座を参照してください。







●リップトリルやシェイクについて
【Q】リップトリル(あるいはシェイク)が苦手です。
   やり方を教えてください。
【A】リップトリルやシェイクは舌を使えば楽にでき
   ます。「唇から舌へ」を参照してください。







●舌を使う奏法について
【Q】舌を中心と考えるTMは特殊な奏法ではない
   ですか?
【A】現代では特殊に見えますが、ハーバート・ク
   ラークの時代には主流であった伝統的な奏法
   です。19世紀末から20世紀にかけて、ダブル
   ペダルCからダブルハイC(いずれも実音Bb)
   までを自在に吹きこなす金管奏者がたくさん
   存在しており、かれらはみな舌のトレーニン
   グに打ち込んだといいます。以下のリンクか
   ら当時の演奏をお聞きください。

   Del Staigers "Carnival Of Venice"
   Del Staigers "Napoli"
   George Swift "Elfriede" (Swift)
   George Swift "La Capricciosa" (Ries)
   James Burke "Danza Alegre"



【Q】舌をあまり意識しすぎるとうまくいかないの
   ですが?
【A】「舌を意識しすぎている」のか「上手に舌を
   意識できていない」のか、きちんと診断する
   必要があるでしょう。舌のトレーニングには
   時間がかかります。練習の初期段階では、ほ
   とんどの場合、舌をうまく意識できていない
   と考えられます。







●奏法の変更について
【Q】奏法を変えると、きちんと吹けるようになる
   まで時間がかかるのではないかと不安です。
【A】TMはなにかと「奏法」に注目が集まりがちで
   すけれども、実際に練習を始めればそれが大
   きな「エクササイズ・システム」の総体であ
   ることがわかります。

   また奏法それ自体も「力み」を解消しながら
   合理的な身体操法をめざすものです。つまり
   日々の練習を通じて、身体から無駄な力を取
   り去っていくための練習体系なのです。
   ※「体幹部の開発」参照。

   試験的に何日か「中低音でハイノートの練習
   を実践してみるのも一案です。タングとエア
   を使った基礎トレーニングが、無理なくいろ
   んな変化を与えてくれることを実感できるで
   しょう。







●脱力について
【Q】脱力にこだわりすぎると、かえって力が入る
   のですが?
【A】脱力トレーニングが不十分なうちは、力を抜
   こうと思うと逆に力んでしまうことがしばし
   ば起こります。これは言うまでもなく「脱力」
   がいけないのではなくて「こだわり」のほう
   に問題があります。脱力トレーニングとは、
   心身の「こだわり」を取り去るための練習な
   のです。

   脱力トレーニングは、必要な筋肉を、必要な
   ときに、必要なだけ、必要な方向へ動かすた
   めの練習です。そこでは不要な筋力を可能な
   限り使わないことが求められ、それを感知す
   る繊細な観察能力を磨くことになります。

   車にたとえるなら、不要な筋力を使わずにす
   む身体は「よく整備された車」、逆に力みや
   こだわりを残した身体は「整備不良の車」の
   ようなものと考えればよいでしょう。







●姿勢と演奏の関係について
【Q】TMの身体づくりトレーニングをどのように実際
   の演奏に結びつけていけばいいですか?
【A】「身体と奏法」を参照してください。







●タブーについて
【Q】TMにタブー(やってはいけないこと)はあり
   ますか?
【A】TMでは以下の4項目をタブーとして注意を促し
   ています。「禁断シラブル魚」「無駄なロング
   トーン」「危険なバズィング」「アンバランス
   な体系」。タブーフォーを参照してください。







●クラウド・ゴードンとTMについて
【Q】クラウド・ゴードンとタングマジックは同じ
   ものですか?
【A】共通する部分と異なる部分があります。もっ
   とも異なる点は、TMが高音域(ハイノート)
   に特化した形の講習会であることです。しか
   しながら金管楽器をどのように演奏するかと
   いう原理、それを身につけるためのカリキュ
   ラムなどは大部分が共通しています。   

   一般にミュージシャンは理論家というよりも
   実践家であるため、奏法やその教授法につい
   てプレイヤーとしての主観的解釈に頼りがち
   です。しかし実践家の主観的解釈では、上達
   のメカニズムは解明しきれない部分が残ると
   考えられます。

   クラウド・ゴードンは、実践家の主観を超越
   して客観的視座を持とうとした希有な音楽家
   であり、天才的な教育者だったと考えます。
   けれどもゴードンにしてなお、主観的解釈を
   超えようとする試みと、いかにもプレイヤー
   らしい主観性とが、教えの中に混在していた
   のは事実でしょう。

   TMはゴードンの教えを現代の運動科学的座標
   の中へ位置づけ直すことを試みています。特
   に姿勢と呼吸に関しては、1980年代後半以降
   めざましく研究が進んだ運動科学理論をベー
   スとして、現代的な理論と方法を紹介してい
   ます。







●基本的な練習について
【Q】TMでもっとも基本的な練習はなんですか?
【A】ナチュラルアンブシュア52週間です。


<ト音>

<ヘ音>






●パッカーについて
【Q】パッカーがうまくできません。
【A】パッカーとは唇をすぼめる状態のことで、唇
   を横に引かない、唇を巻かない状態だという
   ことに置き換えることもできます。まず楽器
   の演奏前に5分ほどスケールなどを口笛で吹
   いてみることをおすすめします。そうするこ
   とによって楽器を演奏するときにも自然に口
   笛を吹くときのようにパッカーになっていき
   ます。またろうそくの炎を消す場面をイメー
   ジするとよくわかると思いますが、炎を消す
   ときは強く速い息が必要なので、唇はかなら
   ずパッカーの状態になります。パッカーは人
   間にとって自然な状態なので、特殊なことに
   取り組むという意識はなくてよいと思います。
   繰り返しトライすることによってかならず手
   に入ると思います。






●パート練習について
【Q】私の入っている楽団でよく4〜5人のパート練
   習をします。個人練習ではTMを実践して効果
   を得ていますが、パート練習でもこれを取り
   入れた練習をしたいと思っています。どのよ
   うな練習をすればよいのでしょうか。今まで
   にでている教則本を一緒に吹くのは効果があ
   りますか。
【A】一緒に吹くのは効果があると思いますが、教則
   本は基本的に個人で使用するものとして書かれ
   ています。パート練習に取り入れる場合、一番
   レベルが低い人にとってそれが負担とならない
   よう気を配ることが大切でしょう。なお、下記
   リンク「タンギングの可能性」にはヒントがあ
   ると思いますので参照してください。






●今度の本番に間に合わせたい
【Q】今やっている曲のトランペットソロがハイトーン
   やシェイクの連発でキツいです。まだ私はハイC
   の下のBbまでしか出せません。それにもかかわら
   ず再来月の本番までには吹けるようになっておか
   ないといけない状況です。最大限努力した上で、
   これに間に合わせられるかどうか知りたいです。
【A】ハイノートは正しい練習をして行けば誰でも手に
   入るものです。ハイノートが出る仕組みを知って
   おく必要もあるので、「金管演奏の原理」を読む
   こともお薦めします。

   仕組みを理解し、バランスのよい正しい練習をし
   ていくことによって、ハイノートを演奏するため
   に必要なタングポジション、ウインドパワー、ウ
   インドコントロールが習慣として身に付いていき
   ます。

   その結果としてハイノートが出るようになるわけ
   ですが、期間については個人差があります。ある
   人は数日で手に入り、ある人は数年かかるかもし
   れません。

   切羽詰まっているのは分かりますが、まず「ハイ
   ノートを出す」のではなく、ハイノートを出すた
   めの様々な要素をバランスよく練習することが大
   事です。

   本番までの期限目標があることは大変よいことで
   すけれども、ハイノートにとらわれすぎて無理を
   してしまい、一生取れない悪癖が付いてしまった
   人たちをたくさん見てきました。焦らずベストを
   尽くして頑張ってください。

   最後にゴードンの有名な言葉を贈ります。

   「若い人は来週にもステージバンドの英雄になり
   たいのです。彼は上手になりたいと思わず、ハイ
   ノートを試して吹くことさえすべきではないのに、
   ステージバンドでのすべてのハイノートを来週に
   も吹きたいのです。しかし彼はまず上達すること
   を考えるべきなのです」。







●FTBの時間配分について
【Q】FTBを指示されたように2週間ごとに1メニュー
   ずつ追加していると、練習時間のほとんどがFTB
   に費やされてしまいます。なかなか練習時間が取
   れないのですがなにか良い方法はありますか?
【A】時間がない場合は
   1、2、3、4
   1、2、3、5
   1、2、3、6
   1、2、3、7
   1、2、3、8... のように行なってください。






●2週間続ける必要がありますか
【Q】FTBには各エクササイズを2週間やりましょう と
   書いてありますが、これはどのくらいの頻度で練
   習した際の指標でしょうか? たとえば毎日練習し
   て1週間でできるようになった際も、2週間続け
   る必要がありますか?
【A】毎日練習した際の指標です。できる,できないと
   いうよりも、反復練習をして筋肉に覚え込ませる
   ことが目的なので,最低2週間行ないます。それ
   より短いのはNGですが、2週間以上続けても構
   いません。






●C→Eがうまくいかないのですが
【Q】今はC→Eがスムーズに行かないのですが、FTB#3
   の一番上のものを取り上げて何度も練習すること
   は有効でしょうか?
【A】スムーズに行かないのはタングの動きとトップノー
   トのエアのキックが足りないことが原因と考えら
   れます。それを養成するにはFTBのほかに Claude
   GordonのDaily Trumpet Routineも併用してみると
   ともに、金管演奏の原理をよく読んで上達のアプ
   ローチを理解して練習することをおすすめします。
   大切なことはどこをどう機能させるかということ
   です。1つの練習を数多くやるというのはあまり
   良いことではありません。かたよらずバランスの
   取れた練習が大事です。






●一息で吹ききると頭がクラッとする
【Q】FTB#14あたりから1フレーズを一息で吹ききると
   頭がクラッとするようになりました。たぶん目ま
   いだと思います。呼吸法はチェストアップを心が
   けているのですが、これは練習とともに体が適応
   していくものなのでしょうか。
【A】ウインドコントロールが上手に出来るようになると
   一息でできるようになるのでそれまでは適宜にブ
   レスを取ってください。 チェストアップはし続け
   てください。






●NE52のLESSON FOURで
【Q】今NE52をやっていって四つめのレッスンくらいで
   高いソがでてくるのですが癖で唇を締め上げてし
   まうのです。それはどうすればいいんでしょうか?
【A】NE52の4番が壁になってしまう人は稀にいますが、
   その人達は総じて導入時(楽器をスタートする時)
   に問題がある場合があります。それらの問題はアン
   ブシュアだったり、マウスピースの位置だったり、
   マウスピースや楽器が不適切だったり、不自然かつ
   決定的にまずい場合が多いので、まずその辺を疑っ
   てみることをおすすめします。実際に状況を見られ
   れば的確なアドバイスができると思うので、ハイ
   ノート入門セミナーに参加したり、可能なら杉山
   先生の個人レッスンを受けることもおすすめします。







●バズィングについて
【Q】顧問の先生にバズィングをしろと言われているので
   すがしたほうがいいのでしょうか?
【A】バズィングは、ウォーミングアップ時のほんの数秒
   間くらいなら問題ではないのですが、あまり長時間
   やりすぎると唇に意識が行ってしまう心配がありま
   す。また、マウスピースだけのバズィングは、実際
   に楽器を演奏するのとは抵抗が違ってしまうので危
   険でさえあります。しかし部活の方針もあるでしょ
   うから、くれぐれもうまく対処してください。