マジックの全体像



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タングマジックの教則本ハイ・エア・ビルド



音域5オクターブの世界

タング(舌)とエア(呼吸)で金管楽器を演奏する
という合理的かつ正統的な練習方法を現代によみが
えらせたタングマジック。その全体像を、ハイ・エ
ア・ビルドの理論編では可能な限りくわしく解説し
ました。

また実践編では、下はダブルペダルC(実音Bb)
までの低音域開発と、上はダブルハイC(同)まで
の高音域開発に取り組むレンジ・スタディのエクサ
サイズ18種を掲載しています。




システムなき情報の海

全国各地でTM講習会を開催し、のべ1000人を越え
る金管奏者と接してきました。そこで目の当たりに
したのは、一部の例外を除いて多くの方々が練習方
法について迷い、苦しんでいる姿でした。

苦しんでいる人は情報を持っていないのか。いえ、
世の中にはあふれんばかりの情報が飛び交ってお
り、誰でもその気になれば容易に入手できます。

では、持っている情報が間違っているのか。かなら
ずしもそうとは言えないようです。もちろん迷信や
根性論に属する誤った情報も含まれてはいますが、
全体としてみると完全に不合理な方法ばかりとは言
い切れない気がします。

では、欠けているのはなにか?

それは「システム」でしょう。世の中に満ちあふれ
る情報を、正しく処理し役立てるための枠組み、そ
れが決定的に不足しているのかもしれません。




ゲシュタルトという考え方

「全体」は部分の総和以上のもの、あるいは部分の
総和とは異なる性質を持つもの、という考え方があ
ります。この「全体性を持ったまとまりのある構
造」のことをゲシュタルト(Gestalt)と呼びます。

ゲシュタルト的な考え方においては、個々の「部
分」や「要素」よりも、「全体の構造」や「部分と
部分の関係」が重要視されます。

たとえば、「♪カエルの歌が聞こえてくるよ」とい
うメロディには、14個の音符が並んでいます。

それら個々の音符には固有の周波数があります。こ
の曲を半音高く移調して演奏した場合、14個の音符
の周波数はガラリと変わります。しかし私たちは、
依然としてそれを「♪カエルの歌が〜」という曲と
して認識することができる。

つまり、ここでメロディを成立させているのは個々
の音符の周波数ではなく、それらの「関係」だとい
うことがわかります。これがゲシュタルトの身近な
一例です。




ゲシュタルトとしての練習

金管楽器の練習は、さまざまな「要素」によって構
成されています。それら個々の要素はバラバラに独
立しているのではなく、相互に関係しあっていま
す。

したがって、ゲシュタルト的視点がないままに、い
ろいろな情報と接し、それらを恣意的(気まま)に
自分の練習へ採用した場合、大きくバランスを欠い
た練習体系となる可能性があります。

全国各地で接した「迷い」「混乱」「苦しみ」は、
個々の情報は正しくても、ゲシュタルトとしてアン
バランス
ということかもしれません。

そこでタングマジック教則本を書くにあたっては、
特にこの点に配慮しました。すなわち、TMという
練習の「全体像」を描き出そうとしたのです。




TM4x4

これは「てぃーえむ・ふぉーばいふぉー」と読みま
す。TM講習会の内容を4分野16項目に分類し、それ
らすべてを通貫する基本コンセプト「外柔芯剛」と
の関係の中で解説しました。



●基本コンセプト:外柔芯剛
●リップフォー(唇についての四項目)
●タングフォー(舌についての四項目)
●エアフォー (呼吸についての四項目)
●タブーフォー(注意すべき四項目)


TMは、一般には「特殊な」練習法のように考えら
れているようです。しかし、TM4x4を読み進むう
ちに、なぜTMが合理的な方法なのか、そしてそれ
が正統的な金管練習法なのかがご理解いただけるこ
とと思います。

全体(ゲシュタルト)は、部分の総和ではない。
このことを頭のかたすみに置いて読まれることで、
TMの壮大かつ緻密な体系がきっと明らかになるこ
とでしょう。